PETとは Positron Emission Tomography(ポジトロン・エミッション・トモグラフィー)の略

ポジトロンとは「陽電子」、エミッションとは「放射」、トモグラフィーは「断層撮影」を意味

ポジトロン(陽電子 プラスの電気を帯びた電子)を 放出する薬を使って特殊なカメラで映像化し
病巣をさがしたり、体の機能を調べる新しい検査方法のこと。別名ポジトロンCT
なお、この検査の際は、最初の薬剤注射以外、痛みや不快感もなく
着衣のまま全身が検査できる。

PETによるがん検査は、がん細胞が正常細胞よりも多く(通常数倍から多い場合は20倍近く)のブドウ糖を消費する性質を利用した検査で、ブドウ糖によく似た構造のFDG(フルオロデオキシグルコース)という薬剤を
注射した後、その集まり方を画像化して診断する。

一般にCTやMRIなどの画像診断は、がんなどの大きさや形をとらえるのに対して、
PET検査はがん細胞などの細胞の性質をとらえる検査で、
悪性度も知ることができるといわれている。

また、従来は転移や再発に対して、可能性の高いところに狙いをつけて、そこをCTなどで検査をしていたが、
PETは
一回で全身を検査できる優れた特徴を持っているため、予期せぬところへの転移や再発を早期に発見できる検査として期待されている。


<欠点>  ただし、PETにも欠点がないわけではない。

そのひとつは
「解像度が低いこと」簡単に言うと「ピントがずれたような画像」。
つまりPETの画像だけでは、異常が発見されても「病気がどこにあるのか」ということがはっきりとわからない場合がある。
このため、PETの画像を使用する際には必ずCTやMRIといった画像と対比させて診断することが重要となる。PETは他の検査と組み合わせることでより有用性が高まると考えられる。

また、肝臓癌、胃癌、前立腺癌は超音波検査や内視鏡検査などの方が、PET検査より有用なことが多い。
このように、PET検査にも適しているものと適していないものがある。

なお、がん以外に検査の目的に合わせてくすりを選ぶことにより、脳や心臓の診断もできる。

「PET」  陽電子放射断層撮影法
最近がんの診断においてPET検査が注目されています